"断る力"

昨日、勝間和代"断る力"(文春新書,2009)を一気読みにて読了。295頁、難易度:中。勝間和代氏が主催する働く母親のコミュニティ"ムギ畑"にはポコンたん出産直後から参加しており、私にとっては勝間氏=ムギ畑のヒトだったのだけど、いわゆる勝間本を読むのははじめて。

余談だけど、"ムギ畑"はもともとniftyserveのフォーラムだったようで、ツリー形式やsysopeなど、niftyserveの名残があって、何とも懐かしい。

周囲の多くのヒトは驚くかもしれないけれど、実は私は頼まれると断ることができない、控えめにいっても苦手だ。現状の理由は少し違うけれど、でも比較的常に仕事が一杯一杯なのは、"頼まれると断れない"ということも理由のひとつ。ただある年齢までは、"とりあえずなんでも引き受けて挑戦する"という姿勢で経験値をあげていくことが有効だけど、そろそろその時期ではなくて、組織のなかで"自分に求められている役割を果たすこと"や"自分がやりたい仕事をできる環境をつくること"にもう少し注力することが必要かなと思うようになっている。特に、3歳児を抱えていて、無制限に残業できるわけではない状況では。

本書を書店でみかけるたびに気にはなっていて、ようやく購入したのだけど、読みながら非常に腑に落ちることが多くて、まさしく"今"読むのが適切だったなという感じ。職場で上司から言われていることに重なる部分も多くて、うなづきながら、線をひきながら一気に読んだ。

内容は、単純に"断る"ことについてだけでなく、その力の本質的な効用やその力を身に付けるために必要なこと、などがかなり深く書かれている。たださほど新しいことが書いてあるわけではないけれど、例や引用、太字、各章の終わりのまとめもふくめて、書き方がわかりやすく、読みやすくてうまいな〜と。

今日、職場で行われたとある勉強会でも本書に通じる話があり、そういう時期なんだなぁと三度しみじみと感じてしまった。ただ頭ではわかっていることであっても、要はどう行動として実現できるかが肝心なので、やはりひとつひとつ積み重ねていくしかないのだ。

本書の第1章で、筑波大学の松崎教授という方の研究が紹介されており、性格の4つのタイプわけについて述べられている。

松崎教授は、私たちの性格を4つのタイプにわけました。
「自分の評価の軸がある人/他人に評価を委ねてしまう人」
「努力が成果に結びつくことを信じる人/努力を重んじる人」
という2×2のマトリックスをつくったのです。(p.43)

後者については、自分は確実に"努力が成果に結びつくことを信じる人"なのだけど、前者については、基本的には自分の評価の軸がありつつも、他人の評価を気にするので、その部分が自分の弱さにつながっているなあとあらためて気づいた。本書でも書かれているけれど、周囲を見回してすぐに数人を思いつく"努力が成果に結びつくことを信じる人"かつ"自分の評価の軸がある人"は、常に一貫性をキープできるため、ゆらがないし、強い。そうするとスタートは、やはり適切な自己評価をもつこと、になるのだなぁ。やはり、勉強しよ。

オマケ:本書で紹介されていた"シゾフレメランコテスト"を試してみたら、メランコ度58%、シゾフレ度10%という結果になった。ちなみに"シゾフレ人間=同調傾向の強い人"、"メランコ人間=自分の考え方を中心とする人"だそうな。

断る力 (文春新書)

断る力 (文春新書)