社会福祉の本質とは何か

先日、政策科学を専門にしている友人(職場上司ではなく、全くプライベートな友人)と話しているときに、"社会福祉/社会保障制度は、成り立ち自体が、雇用というか市場経済と両輪"というような主旨の内容を話したのだけど、頭にあったのは孝橋正一理論。

孝橋正一先生関係の資料は多分まだ持っているのだけど、ダンボール箱の海の底に埋もれてしまっている。そこで吉田久一"日本社会福祉理論史"(勁草書房,1995)をひもといてみた。

(前略)一つの社会的存在としての社会事業を、資本主義制度に固有の歴史的、社会的な、そして機構的=構造的必然の所産であると理解し、資本主義制度を貢献する社会=経済法則を前提としつつ、その本質を社会科学的に解明しようとする(後略)
(孝橋正一"社会事業の基本問題"序文, via吉田,p.155)

孝橋正一先生が今の日本の社会保障の状況をご覧になったら、どれほど嘆くだろう。"日本社会福祉理論史"をぱらぱら読んでいたら、ものすごく興味深くて、やはり勉強再開したくなった。