"崖の上のポニョ"の謎

数週間前のTV放映を見たことで、ポコンたんの"崖の上のポニョ"熱が再燃してしまい、最近の寝る前絵本読みの最多リクエストが"崖の上のポニョ"の絵本。絵本といってもめちゃくちゃ長いので、よほど早く寝室にたどり着いたときにしか読まないことにしている。何度か読んで、何度か映画を見ているうちに、記憶力のよい4歳児は絵本の文章や台詞を、ほぼ丸暗記してしまい、"フジモトはかいていのうじょうのさんごとうに…"などの長文をすらすら読みあげている。それを見た相方氏が、ポコンたんが字を読めるようになったと勘違いしたほど。

前にも書いたけど、私自身は"崖の上のポニョ"はあまり好きではない。どことなく納得がいかない。絵本を読んでいても、"親のことをリサだの耕一だのと名前で呼ばせるのは変だろう"とか"フジモトやグランマンマーレの正体ってなに?"とか、"海に沈んだ町はあの後、どうなったのか?"などと気になって仕方がない。

で、"崖の上のポニョ"を読んでいて、最大の謎はリサの勤める"ひまわりの家"の事業形態。毎回毎回気になって気になって仕方がない。隣接する保育園と運営母体が同じなのは、現実にあるから全く問題ない。だけど画で登場する"ひまわりの家"の建物の正面玄関は、特別養護老人ホーム並みの立派な車寄せとコンクリート造りの施設に見える。なのに登場する利用者は、ほんの10名程度しかいない。海にしずんで巨大くらげのなかに避難?している場面でも特別養護老人ホームの利用者(30名以上)がいるようには見えない。利用者の人数からは、小規模多機能みたいに見えるのだけど、建物と不釣り合い。

リサが出勤し、宗介が登園する時間に"ひまわりの家"に送迎車両で到着したトキさんたち一行は、その後"お泊り"になるのだけど、ショートスティだったらそんなに朝早くに入所しない(居室にはその前の利用者がいるので、私の知る限り最近のショートは午後入所が一般的)。送迎の時間から見ればデイの利用者なので、譲って考えてショートステイのデイ入所かな??

最大の謎は、嵐になってリサが帰ろうとするときの同僚の"どうせ私たちお泊りになるから"という発言。数十年前の老人ホームならいざ知らず、今はむしろ台風など来たら職員には定時退勤するように勧めている(少なくとも勤務先法人の場合)。基本的に管理宿直体制も夜勤体制も法律で決められた定数がシフトで組まれているので、台風だから一般職員が臨時で夜勤に増員される、なんてことはありえない。今時は労働基準監督署も細かいので、そんなことしたら指導に入られてしまうと思うけどな(苦笑)

そんなわけで利用者と職員の動きからは、なんとなく小規模多機能っぽく見えるのだけど、建物の規模からはそうは見えないので、大いに謎が残る事業形態なのだ。

その他、どうしても納得ができないのは、嵐の夜に山のなかの明かりをみて、利用者ではないかと勝手に考えて、救援に向かうリサの行動。毛布はともかくティッシュペーパーをあんなに大量に車に積み込んで、どうするつもりだったのだろう?大体、5歳の息子を得体のしれない少女と二人だけで自宅に置いて、職場へ向かったリサの行動も納得いかなーい。母親だったら、あんな行動はとれないよ、絶対。あんな嵐の夜なら、子どもと二人で家にいるよ。

そんなわけでポコンたんにポニョを読んであげると、毎回内心で色々突っ込みをいれざるをえないワタクシであった。

崖の上のポニョ 徳間アニメ絵本30

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