"天地明察"[3/100][4/100]

しばらく前に書店で購入した冲方丁"天地明察"(角川文庫,2012)の上巻を木曜日の夜に読み始めて、土曜の夜に読了。そのまま下巻を購入して、土曜の夜に一気読み。それほどまでに面白かった。堪能。

歴史に弱いのと、冲方丁=SF作家のイメージが強くて、関孝和の名前が登場するまで主人公の渋川春海が実在の人物と気がつかなかった。もちろん小説だから史実とは異なる部分も多いとは思うけど、江戸時代に興味をひかれ、歴史を再度勉強してみたくなった。

江戸幕府という組織が舞台のひとつなので、組織のあり方やリーダーシップのあり方などについても興味深い描写がたくさんあったけど、一番共感したのは主人公の春海が大きな失敗を2回している場面とそれを乗り越えて、周囲の人々に導かれつつ協力を受けつつ、目指す事業をやり遂げるところ。最近、"失敗をしたときにめげずに乗り越えること""失敗を糧とすること"の大切さをひしひしと感じている。自分はこれからも大小さまざまな失敗をおかすだろうけど、少なくとも今までの失敗は無駄にならずにちゃんと自分の血肉になっていると実感できているのは、幸せなことなのだ。

今年の秋に映画化されるらしいので、時間を作って見に行きたい。特に天測の機器の細かい描写を読んでも自分の知識不足でイメージできなかったので、是非映画で知りたいのだ。

天地明察(上) (角川文庫)

天地明察(上) (角川文庫)

天地明察(下) (角川文庫)

天地明察(下) (角川文庫)