”アウシュヴィッツの図書係”

2月2日にあの素敵な図書室で偶然に手に取り読みはじめたアントニオ・G・イトゥルベ”アウシュヴィッツの図書係”(集英社,2016)を地元図書館にて借りて、2日間で一気に読了。

本書はアウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所の家族収容所を主な舞台としており、そこで密かに行われていた”学校”と8冊の書籍を管理を任されていた14歳の少女を主人公に、彼女の家族や”学校”をめぐる人々、そしてアウシュビッツの”生活”が描かれている。現在も存命のその14歳の図書係の”少女”の体験をもとにしたフィクションではあるけれど、ノンフィクションの物語。著者があとがきで述べているとおり、”フィクションには時として、ほかの方法では語れない真実が隠されている”。

これほどに重く、壮絶で、かつ物語として完成度の高い作品に出逢えたことに感謝したい。生涯に残る一冊。

アウシュヴィッツの図書係

アウシュヴィッツの図書係