"笑う男"

先日駅前大通りの昔馴染みの書店にて、Henning Mankell"笑う男"(創元推理文庫,2005)を購入。一昨日の通院の際の待ち時間で途中まで読んだものの、徒歩通勤になったため続きを読む機会がなかった。昨夜は何故か寝付けなかったので、続きを読み始めて、一気に読了。あいや〜、相変わらず読み応えがあり面白かった。満足。

この作品は、今年の5月末に出会ったスウェーデンの警察小説のシリーズであり、20050530に読了した"白い雌ライオン"に続く、シリーズ第4作である。主人公の田舎刑事クルト・ヴァランダーは、友人の弁護士の殺人事件を捜査していくうちにスウェーデン全土を揺るがす大犯罪が背景にあることをつきとめ、大活躍するのだけど、あくまで全く冴えない中年であることには変わりがない。スーパーヒーローではない、生身の人間ばかりが登場するところが、この作品に惹かれる理由のひとつ。でも最大の魅力は、スウェーデン社会の抱える問題や状況が非常に良く描かれていること。今回は特に前3作のようなスウェーデンを取り巻く国際関係は背景に出てこなかったけれど、その分国内の社会状況が重要な背景となっていた。

笑う男 (創元推理文庫)

笑う男 (創元推理文庫)