自分の専門領域は?

相方氏をはじめ、私の周囲には専門領域が明確で、その領域については深い知識と高い能力を持っているヒトが多い。業務上の事情もあり、最近、自分の"専門"はなんだろうと自問することが多く、胸を張っていえる領域がないことに気づいてしまった。大学院まで行っておいて、何を言わんやと我ながら思ってしまうけれど。

ある身近な方からは、"幅広いことも専門のひとつ"と言われたけれど、そう言えるほど幅広い知識を持っているとは思っていないので、やはり自問してしまう。

翻って、自分が今後専門にしたい領域については、比較的明確に見えてきている。ただそれはある種の複合的な領域なので、そこに行き着くまでに必要な基礎知識が圧倒的に不足していることを痛感している。

とはいえ、目下の育児と仕事の両立だけで四苦八苦の状態では、座学に費やせる時間なんて全くない。あえて言えば業務の一環でもあるのだけど、業務中に専門書読んでいる余裕もない。

そこで気がついたのは、体験的学習法とでも言えばよいのか、自分の直面している現実的な課題に関して意識的に資料や書籍を読んだり、気になる問題については調べてみること。つまり、目下最大の課題である仕事と家庭の両立や働く母親をめぐる問題、また保育や育児に関することについて、意識的に取り組むこと。

この方法に取り組み始めてまだまもないけれど、結構自分には合っているかなと思っている。例えば、先日某マイミクさんの日記で、保育園の基本保育時間について書かれている内容が"あれ?違うのでは?"と思ったので、自分の体験だけでコメントするのではなく、根拠法まで遡って調べてみた。この方法だと、自分の現実生活に直結しているので、非常に身につく。

そんなことを考えていたら、丁度今日開封した社会政策学会誌のテーマが"子育てをめぐる社会政策"だった。何だか背中を押されている気がしたよ。

あ、別に両立支援や育児支援をを専門領域にしたいわけではなくて、目指す専門領域に行き着くための知識をこれらの問題を通じて少しでも身に付けようという魂胆。どちらにせよ社会福祉領域が自分の基本フィールドだし、社会福祉の対象が何かと言うことについては深い深い学術的論争があるものの、現実的には人間の生活を対象にしているので、どのような知識であっても役に立つのだ。その意味からは、"幅広いことが専門"と言い切れるくらいの幅広さをもてるのが理想なのかもしれない。