3%?

先ほどテレビ朝日の報道ステーションで、介護施設に元製造業の非正規職員だった人たちの転職が増えているというニュースを流していた。勤務先法人でも、上司いわく、昔から不況になると介護や社会福祉業界への求職者が増えるという傾向があるとのこと。

介護のみならず、高齢者福祉業界の人材不足は極まれりの状況であるし、まだまだ需要は高まるばかりだし、雇用の創出のあり方として本当に位置づけてくれるのならば、それはそれでめでたしめでたし、といえるだろう。介護/福祉と雇用/労働の問題は、またあらためて。

で、その報道ステーションの報道のなかで、相も変わらず"介護報酬3%アップ、介護職員の給与2万円アップ"というキャプションと説明が流れて、なんだかなぁという気分に陥った。

"介護報酬3%アップ"という表現から受ける第一印象は、"介護報酬の全てがそれぞれ3%アップ"という内容だと思うのだけど、実際は"介護報酬全体で3%アップ"だけである。その3%の内訳は、在宅1.7%分、施設1.3%分であり、さらにサービスの基本報酬部分のアップは訪問介護の短時間サービスだけであり、他は一見アップするように見えても従来の体制加算が基本報酬に統合されただけだったり、実質的には基本報酬は何も変わらないのだ。

3%アップの内容は、ほとんどが加算の新設や再編成であり、加算の内容自体は認知症ケアや独居高齢者支援等に重点が置かれている傾向が見られることについては多少改善されたといえるけれど、その加算を受けるための現場職員の情報管理や事務量の増大を考えると、実質的には何の報酬アップでもないのだ。

全国ネットのニュース番組で報道するのであれば、正しい内容を説明してほしいものだとつくづく思う。

なお介護報酬改定の詳細は、"第63回社会保障審議会給付費分科会資料"をご覧下さい。