篠田節子"静かな黄昏の国"

先日図書館で借りてきた篠田節子"静かな黄昏の国"(角川文庫,2007)を数日前に読了。SFとホラーの中間のような短編集なのだけど、何というか日常と紙一重の狂気みたいなものが全編を漂っていて、ひたひたと怖さが染み入る作品ばかりであった。

表題作の"静かな黄昏の国"は、一番最後に収録されているのだけど、最後にう〜んとうなってしまった。裏表紙に書かれているあらすじは次のとおり。

環境破壊と貧窮のうちにゆっくりと滅びつつある近未来の日本。老夫婦が辿りついた理想の'終の棲家'とは?

ここに描かれた日本の姿は、今の日本がそうなっていく可能性をはらんだ世界であり、そのことがまず恐怖。そして、生老病死をつきつけられる内容。結末には、公使にわたる種々様々な意味で、考え込んでしまった。

静かな黄昏の国 (角川文庫)

静かな黄昏の国 (角川文庫)