篠田節子"女たちのジハード"

昨年の終わりに篠田節子を続けて読んでいたときに複数の友人たちから薦められたのが、この作品。先日ようやく入手したので数日前の病院の待ち時間に読了。

篠田節子氏の作品には、"ゴサインタン"等の宗教や生きること/死ぬこと自体をテーマにした作品と、"絹の変容"や"静かなる黄昏の国"のようなSFミステリ調の作品と、"百年の恋"や"女たちのジハード"のようなどこにでもありそうな物語のなかに人生のエネルギーがあふれている作品があると思うけど、私が一番好きなのは三番目の作品群。

"女たちのジハード"は保険会社に勤める5人の女性を主人公に、それぞれが思い描く人生像と実際に選び取っていく人生について描かれている。そこには多分、私がいて、あなたがいる。女はたくましい(笑)

ちょうど同時期に映画"プラダを着た悪魔"をDVDで見た。全く違う作品だけど、"女たちのジハード"に近いなと感じた。体調を崩して少し凹み気味だったけれど、どちらも、読んだ/見た後にはなんだか少し元気が出てくる、背筋がしゃんと伸びる作品だった。

女たちのジハード (集英社文庫)

女たちのジハード (集英社文庫)