節目の一日

今日の午後は、重要な会議が3件連続で開催され、法改正対応の節目の一日となった。会議が終えたことで新たなタスクも発生するし、実務上はまだまだ当分法改正騒動は続くのだけど、一区切りついた感は大きい。

今回の法改正の制度上の大きな目的のひとつには(一部の社会福祉法人の不正行為を契機とする)”ガバナンスの強化”がある。ただそのために鳴り物入りで制度上義務化されたいくつかの施策は、そもそも真面目すぎるほど生真面目にプロトコルに基づき運営してきた法人においては、法改正により逆に、実質的な内部統制機能をもっていた機関が形式化されてしまい、むしろ”退化”してしまった。形式化したことを全員が承知しつつ、でも制度に基づいて業務遂行しなくてはいけない虚しさを強烈に感じた一日でもあった。

ただこれは今回に限ったことではなく、各種制度の昨今の流れの大きな特徴でもある。つまり形式的な手順や事務作業ばかりが増えて、本質的な取組を行う時間が削られて、形式化していき、そこで働くひとを疲弊させる。介護保険や高齢者福祉だけでなく、保育も学校教育も、そしておそらく医療もその他の領域も。いわば”ひとを信じない制度設計”。そこで働く当事者の裁量権を増やして、”ひとを信じる制度設計”に方向転換しない限り、いまのこの国の社会全体を覆う閉塞感はなくならないのではないだろうか。そしてその方向に転じる可能性はとても低いと思わざるを得ないこと、むしろ現行の流れは強まっていくであろうことに、暗い気持ちになるのだ。