"最後の医者は桜を見上げて君を想う”

週末からKindleで読んでいた二宮淳人"最後の医者は桜を見上げて君を想う"(TOブックス,2018,Kindle)を読了。

もともとムスメが”死んだら自分の意識はどうなるのかな?”などと死という概念に興味を持っており、ムスメが読めるような生老病死に関する本はないかと探していたときに見つけた一冊。AmazonPrimeReadingの対象だったこともあり、ムスメに薦める前に自分で読んでみたのだった。
主人公といえるのは3人の医師で、ひとりは患者を一分一秒でも長生きさせることに闘志を燃やし、ひとりは生の続きとして死をとらえ、そしてもうひとりは…という対比のなかで複数の患者をめぐる連作が展開していく物語。おそらくティーンエージャーから20代くらいを主な読者層にしているのだろう、読みやすくて、読む年齢によって受け止めは変わるような、胸にくる場面がある良作だった。

ムスメは不死になりたいと願っているらしく、そこまで”生”を肯定できることは素晴らしいことで、そういう思いをもって日々を過ごせることに親として感謝する。ただわたしは、自分自身に限っていえば、終わりがあるから生きることを受容できるし、終わりがあるから、いまこの瞬間は二度と取り戻せないから、そして終わりはいつくるかわからないから、後悔をしないようにいまを一生懸命生きていたいと、ずーっと以前からそう思って日々を過ごしている。そうやって過ごしているつもりでいても、もちろん反省することや失敗したと凹むことは多々あるので、生きることとは難しい。

そういえば、自分自身も中学2〜3年生の頃に脳死関係の書籍を読んだり、レポートを書いたりした記憶があるので、年齢的に生きることと向き合い始める時期なのかもしれない。

最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫)

最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫)