再出発の8月

子どもたちにも気分転換が必要な様子で、自分自身もあまりに煮詰まったので、子どもたちと三人で近場で一泊した。普段とは異なる景色を見るだけで、リセットされる。”しなくてはいけないこと”に追われない時間に自分を取り戻す。そして久しぶりに自分が”笑っている”ことに気がついた。

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激動の時期に、たくさん思索した。そのひとつとして、子どもたちが誕生して以来、あまりに自分がいっぱいいっぱい過ぎて、その時々の自分なりには精一杯やってきたけど、それでは足りなかったのだなと足元から崩れ落ちる思いに襲われている。サニスケは二人目だから、少しマシに"母親"をできていたように思うけど、それでもまだ足りていない。絶対量が足りていないのではなく、充分に伝わっていない。伝えられていない。伝わるように接してない。その余裕がない日々が多すぎる。それが子どもたちがいま現在それぞれに抱えている”つらさ”を生み出す最大の原因になっている。そのことに思い至り、頭を殴られた。

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働く母親になって約15年間。何度も何度も仕事を続けてよいのか、辞めようか、迷ったことがある。数ヶ月前、長女の学校が休校になりひとりで自宅でオンライン授業になったとき、そのつらさを誰よりも知っているので、自分の仕事が在宅ワークにできないことを不甲斐なく感じたし、この夏休みもまたひとりになる長女を思うと、仕事休めればよいのにな、とも思う。サニスケが学校から帰宅したとき、メモではなく、おかえり!と迎えてあげられればよいのにと思う。ただ仕事を辞める/変えるという選択肢は、現実的ではなく、子どもたちの希望を叶える経済力を維持する意味でも、自分自身の人生のためにも、その選択肢はない。

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ただこのままではいけない。

過去はやり直せないけど、いまこの瞬間から自分の行動を変えることはできる。伝わっていないなら、伝わるように伝えよう。言葉で、態度で、行動で、伝えよう。

 そしてそのために必要なことは、自分のなかに”笑える”余裕を取り戻さなくてはいけない。子どもたちのため、そして自分のために、再出発の8月。