75年目

今日は土曜出勤。

数年前まで今日の正午と8月6日と9日のその瞬間の時刻には、勤務先法人の各施設では館内放送が入り、全職員で黙とうをしていたものだけど、いつの間にかその習慣は消えてしまった。職員は言うまでもなく、ご利用者の世代交代も進んでいるのも事実だけど、だからこそ継続してほしかったなと思う。

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最近、サニスケが勉強後のお楽しみの時間に”ルパン三世 TV第二シーズン"を第1話から見ている。作品の完成度の高さもさることながら、ごく普通にヒトラーが登場したり、戦争を背景としたエピソードが当然のように登場する。そういえば1970年代はまだ(いまに比べれば)戦争が身近だったのだと思い返した。自分自身も実際に祖母から話を聞いたり、親戚には特攻隊の関係者がいたり、まだまだ直接の体験者から話を聞く機会があった。よく言われていることではあるけれど、これから先の記憶の伝承は格段に難しくなることを痛感する。

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江東区にある東京大空襲・戦災資料センターがテレビで紹介されているのをみて、”ここにいつか一緒に行こうね”と言ったら、サニスケは勉強関係と思ってしかめ面をしていたけれど、違うんだ、サニスケ、連れて行ってあげたいのは勉強のためではないんだ。あの戦争や空襲は、あなたたちのひいおばあちゃんとあなたが大好きなモルモルの人生を大きく変え、そしてお母さん自身の人生にも深くつながっている。つまりあなたやお姉ちゃんがいまここに存在していることにも関係しているのだよ。だからせめて知っていてほしいだけなんだよ。

 

 ↓おそらくわたしが最初に読んだ戦争児童文学。小学2年生くらいだったと思う。

ガラスのうさぎ (現代・創作児童文学)

ガラスのうさぎ (現代・創作児童文学)

  • 作者:高木 敏子
  • 発売日: 1977/12/01
  • メディア: 単行本