論文を読む

2025年8月18日(月)

順繰りに夏休みをとっていた部署のメンバーが半月ぶりに全員揃った。取引先各社も夏季休業が明けて、途端に電話/メールの本数が増えた。そして午前中のネットワークの重たかったことからも、世間が一斉に活動を再開したことを実感した。

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学会について、これまでは自分の関心領域に最もフィットすると思っている1つのみを継続しており、あと大学院の事実上の学内学会だけだったのだけど、最近2つの新しい学会に入会した。ひとつは教授から勧誘を受け、もうひとつは業界のメインとなる学会。

前者は教授のスカウトだったので推薦者は省略されたけど、後者は推薦者が2名必要だったので、現在の大学院の教授と以前の大学院の大先輩のクラスメイトにお願いした。お二方共に快諾いただきありがたかった。

学会誌はいまだに書面が主流なので、学会に入ると論文集が送られてくる。未読の論文集が溜まってしまったので、論文集1冊につき1論文だけでも読んでいこうと、読み始めている。

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自分の入っている学会の論文集の他にも大学院の図書館からデータベースにアクセスできるので、この一年間でそれなりの本数の論文に目を通してきた。

最近読んで面白かった論文のひとつが、「経営教育研究」Vol.28に掲載されていた浅野浩美・一守靖・内田康郎「人的資本の測定・開示と企業経営ーどのように取り組み、活かそうとしているのかー」である。この論文は、日本生産性本部が実施した有価証券報告書における人的資本経営に係る数値と自由記述の分析、さらに企業へのヒアリング調査、従業員匿名アンケート調査をもとに、人的資本の測定とそれを経営にどう活かすのかを論じている。

自分は人的資本論は興味は持っているけれど学んだことがないので、まずこの論文の前半にて人的資本経営とはなんぞや、という概要を理解できたことが有意義だった。特に人的資本と経営戦略との関係性を論じた箇所、そして人的資本と組織学習の関係性については、社会福祉法人でも十分に参考になると直感した。

本題の調査については、特に人的資本経営の取り組みによって企業がどのような効果を得ているのか、という結果が興味深かった。7つの効果として挙げられている内容のうち、2点(厳密には1点)は営利企業に限定する内容だけど、そのほかの5点は社会福祉法人にも当てはめることが可能である。

他に、やはり人的資本の取り組みや組織としての考え方について、経営層が繰り返し伝えていくことが欠かせないということがよく理解できた。

社会福祉法人(に限らないけど)は、働く人=人材=人的資本が最も肝要なので、このテーマは大いに参考にできる。

 

↓人的資本経営というと出てくるのが「人材版伊藤レポート」。以前に授業で紹介されてざっと目を通したので、事例集も含めて落ち着いて読みたい。

www.meti.go.jp