中崎倫子「読書思考トレーニング」(2026)ちくま新書

2026年3月16日(月)

地元の書店にて「AI活用でロジカルにアウトプットする技法」というサブタイトルに引かれて購入。アウトプットに重きを置いた読書術。筆者は大学図書館司書の経歴をもつ実務家研究者。

目次

序章 読書法の全体像

第1章 なぜ本を読むのか?

第2章 何を読むか?

第3章 どう本を読むか?

第4章 どう記憶・記録するか?ーアウトプットの下準備

第5章 メモから仮説へーどう言語化するか

第6章 読むこととアウトプットの最強の関係

おわりに

感想

本書の最大の特徴は、ある程度本を読む人ならある程度行っていることを、明確に言語化していること。図解の巧みさが明確さを高めている。例えば、読書の目的を「直近のアウトプットを求められるか」と「思考を伴うか」の2軸で整理されており、それ自体も明確だけど、さらに図として整理されているので、ひとめで把握できる。本書の中でも紹介されている「筆者が使っている主なチャート」がまさしく本書で多用されている。図解やチャート作りの参考書籍として、櫻田潤「図で考える。シンプルになる。」が挙げられているので、是非読んでみたい。なお参考文献が非常に充実しており、本文中でも要所要所で紹介されているのが、いかにも元図書館司書の方らしく、大変にありがたい。

読書の目的について、上記の2軸による整理からは、読書は「思考のための読書」「情報のための読書」「教養のための読書」「娯楽のための読書」に分類される。例えば、本書自体は自分にとっては「情報のための読書」に当たる。こうやって読書しながら、この分類を意識するだけでも一歩深まるだろう。自分の読書は、「思考のための読書」「情報のための読書」が大半で、最近寝る前に「娯楽のための読書」を再開して非常によい。「教養のための読書」は仕事/勉強関係に偏っていて、いわゆる古典的教養は読めていない、というように読書自体に対する解像度が上がる。

本書から得たかった最大の目的の「AI活用と読書とアウトプット」については、NotebooLMに書誌情報や読書メモを取り込んで活用する方法が具体的で一番参考になった。NotebooLMを活用できないかと試行錯誤しているので、これは是非真似してみたい。また執筆に生成AIを使用する際の具体的なコツも紹介されているので、こちらも取り入れたい。

*

筆者は実務家研究者の方なので、「アウトプットする場合、重要なのはインプットではなく、インプットに基づいた分析や考察」という一文が、ご自身が文献収集に力を入れて指導教授から指摘されたエピソードとともに書かれていて、まさにそれ!わたしもその傾向!と大いにささり、指導教授の代わりに本書に指摘された。

わたしもとにかくアウトプットが課題で、それはどうしても「完璧」を目指してしまうというか、自分に自信がないというか、それ自体「あるある」なパターンなのだろうけど、評価されるのは拙くてもアウトプットを継続することであり、アウトプットしなければ、学びは自分の趣味で終わってしまう。その域からなんとしても脱したい。学部時代の恩師から「勉強だけでなく研究をするように」と言われたのがまさしくそのことなのだと最近あらためて考える。

活字は読んでいるけど本を読めていない、自分の血肉になっていない、と感じることも読書が読みっぱなしで、アウトプットしていないからだと自覚している。今回この記事を書くことで、普段より丁寧に繰り返し目を通した。そうすると一回通読したときに見落とした箇所が目に入ったり、身につくものはある。だから今後は「情報のための読書」で読んだ書籍を中心にここでもアウトプットしていきたい。