"殺人者の顔"

最近の移動の友であったHenning Mankell"殺人者の顔"(創元推理文庫,2001)をソファでゴロゴロしつつ読了。現在日本で3巻まで翻訳されているシリーズの第1巻であり、何とスウェーデンの警察小説。スウェーデンでは結構警察モノが人気なのか、"ゼロ・トレランス"などの映画もあるし、留学中にはテレビでも良く警察ドラマを見かけた。もしかすると、このシリーズは留学中に時折host family宅で見させてもらっていたテレビシリーズの原作のような気もする。主人公は妻に離婚されたばかりの中年刑事で、スウェーデン南部のSkåne地方のYstadにある警察署に務めている。自分はYstadには行ったことはないけれど、MalmöやGöteborgなど直接知っている地名が出てくると懐かしくなる。また主人公が机の書類を片付けるときにまだ記入していないくじを処分する場面や登場人物たちがやたらに頻繁に珈琲を飲むこと、超過勤務時間を積算して休暇に転用するなど、スウェーデン人の生活や文化が随所に登場して楽しい。3巻まではすぐに読んでしまうと思うので、本国ではすでに完結している9巻まで早く翻訳が出ることを願う。翻訳が出るまでは、他の作者だけどもっと有名なスウェーデン警察小説のマルティン・ベックシリーズを読んでもよいかな。楽しみが増えて嬉しい。

殺人者の顔 (創元推理文庫)

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ゼロ・トレランス [DVD]

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バルコニーの男 (角川文庫)

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