今日の中のヒト

まだ空間に余裕があるので、中のヒトはくるくる天地を回転している。足が下に来ているときは、脂肪のうすい部分を蹴られるので、胎動が激しく感じられる。時折、膀胱や他の内臓を蹴られている感覚があり、それは勘弁していただきたいのだけど。今日はお腹が張って窮屈になり不服申し立てをしていたのか、やたらに蹴られまくり、蹴られるとまた張ってくるという循環が起こっていた。相方氏が"ぽこんたん、ぽこんたん、応答せよ"と軽く叩くと、目で見て分かる勢いで蹴り返してきたので、相方氏は吃驚仰天、目がまん丸に。私が叩いて反応があることはあったけれど、相方氏の呼びかけにこんなに明らかに応えるのは初めてで、私も嬉しくなった。

中のヒトは、どんな風に周囲の世界や私たちの声をとらえているのかな、と考えると非常に不思議な気持ちになる。というか、未だに自分の中に別の生命体が存在していることが、今ひとつ信じられないのだけど。