「サーキット・スイッチャー」

2024年5月5日読了

「虐殺器官」と「探偵はバーにいる」を読み終えた長男に、“あまり母親が渡す本ではなかったね“と話したら、“そうだね“とニヤリ。それでは、と次は穏便に“アルジャーノンに花束を」をわたしたところ、“途中まで読んでるけど、あまり面白くない“という。“後半が面白いから“と薦めながらも、とはいえいずれも現代の作品ではないなと反省し、書店の店頭で見つけたのが安野貴博「サーキット・スイッチャー」(ハヤカワJA)。長男に渡す前にと読み始めたら、めちゃくちゃ面白くて一晩で一気読み。

自動運転・AI・機械学習・Youtubeなどというまさにイマドキの技術に加えて、社会的なテーマ、魅力的な登場人物、そうくるか!と思わせる疾走感ある展開、そして見事なラスト。質の高いエンターティメント読書の時間だった。

専門的な内容を物語のうえで無理なくわかりやすく書かれており、作者の安野氏はよほどクレバーで専門知識の高いひとなのだなぁと思いつつ読み進めていたら、解説を読んでのけぞった。