台風15号の日

朝起きたら台風が近づいてきていた。ポコンたんはレインコートに身をつつみ相方氏と歩いて登園したけれど、私がサニスケを連れて行く時間にはさらに風雨は激しくなっており、とても抱っこで歩いていかれない。タクシーは30分以上待ち。さらに体調がいまひとつよくないサニスケ。朝からトホホ。

台風の予報は事前に騒がれるときには結局大したことがない場合が多いように思うけど、今回の台風15号は見事に予報的中し、日中に小康状態をはさんでは、どんどん風雨が激しくなってくる。

夕方、時短で退勤し、徒歩で自宅まで帰ってくる時点ではまだ傘もなんとかさせていた。長いレインコートを着ていたものの、ズボンから下はびしょぬれ。長靴のなかも浸水。一度帰宅し、雨が滴っているズボンは着替えて、タオル類を玄関に用意して、近隣タクシー会社に繰り返し電話をしてもつながらず。やっとつながった会社からは"市内のタクシーは全滅。みなさん1時間以上待たれています"とのこと。

仕方ないので、意を決して、徒歩で保育園へ向かう。途中で先日買ったばかりの傘が折れて用をなさなくなる。頭からずぶぬれになって、保育園を目指す。壁を支えにしなくてはいけないくらいの突風が吹いてきて、こんなか乳幼児を連れて無事に帰宅できるのかな、と一瞬不安がよぎる。

保育園では、先生方が対応を用意していてくださり、感謝感謝。保護者が靴を脱がずに迎えられるように縁側まで土足で入れるようにしてくださったり、子どもは完全に支度を済ませて縁側まで連れてきてくれて、サニスケをおんぶするのも手伝ってくれた。こういうときのあたたかい対応にはホント救われる。サニスケはレインコートを着せたうえで、エルゴでおんぶして、上からすっぽりと私のレインコートで覆い(つまりサニスケのうえからレインコートを着て)、同じくレインコートを着せたポコンたんの手をぎゅっと握って、いざ家へ。

ポコンたんがこわがりもせず、"台風なんてこわくないもん!!""台風をキックしちゃうから""サニーくんとままぃはポたんが守ってあげるから!!"などと勇ましいことを言ってくれるので、その温かな手のぬくもりとともに私に力をくれた。突風が吹いたら、立ち止まってやり過ごし、木や枝が飛んできそうな道は避けて(これは正解で翌朝に普段通っている道では大きな木が折れてフェンスが曲がっていた)、決死の思いで何とか無事に自宅にたどり着いたときには、心底ほっとした。

ありあわせの夕食を子どもたちと食べていたら、電車が止まって歩いて相方氏が帰ってきた。実家の両親もそれぞれ大変な思いをしたようで、一家全員がサバイバルな体験をした夕方だった。

過ぎ去ってしまえば笑えるけれど、子どもたちは何があっても自分が守るんだ!!とあれほどに強く思ったのは311のとき以来だった。