遺品の整理

今回の自宅安静も1か月以上になり、徐々に退屈になりつつある今日この頃。とはいえもはや臨月のあまり体調のよくない身であることは自覚しているので、平日はおとなしく過ごしている。週末はどちらにせよポコンたんがいるので安静は確保できず、相方氏(やポコンたん)に手伝ってもらい、多少活動的に過ごしている。

祖母が亡くなって早8年になるのだけれど、実はまだ遺品の整理が全て完了していなかった。とある倉庫に保管されていた、最後の段ボールを自宅安静になる前に回収してきたので、その整理だけは出産前に片づけておきたかったのだ。

明治生まれの祖母はなんでもとっておく人だったし、整理や片づけというコトバとはあまり縁がなかったので、その段ボールの中身もゴミのような書類と、大切にしていただろう資料がごちゃごちゃに入っていた。ほとんどは処分するものだったけれど、なかには祖母の歴史をあらわす資料や、相方氏いわく"普通はこんな段ボールに入ってへんで"というような貴重なものがあり、それらをサルベージできたことは本当によかったと思う。実はその倉庫にあった祖母の遺品はとても全ての中身を確認できる量ではなく、大半はそのまま処分せざるをえなかったので、きっと他にもそういう資料はあったのだろうなと思うとちょっと悲しくなるけれど、それはそれで仕方のないことだとあきらめている。

この数年間、断続的に祖母の遺品の整理を行ってきたけれど、ようやくこれで一段落かな。祖母の場合は倉庫に保管されていたので実現できたことだとは重々承知しているけれど、遺品の整理はこのくらいの年月が経ってから行う方が冷静に向き合えるような気がする。きっと直後だったら、祖母の直筆の字が一文字でもかかれている紙切れは全てとっておきたくなっただろうな、と思う。

祖母が私(たち)に遺してくれたのは、段ボールに残されたものではなく、もっと強烈で膨大な普遍的なモノ。モノというより、私自身の基盤となる価値観。さらに誰よりも祖母にそっくりなポコンたんを毎日見ているので、おそらくその両面にわたって、私は生涯をかけて祖母と向き合っていくのだろうなと思う。