病室にて:その5

世間は3連休らしいけど、関係なく働いている人々もたくさんいる。病院も、高齢者福祉施設も。特に医師の先生方は、入院している科の医師数が少ないこともあり、2連続当直や3連続当直など常の様子。当直明けも遅くまで勤務されており、これで事故を起こさずにというのは、とてもとても厳しいことに思える。でもそれを当然としてこなしているわけで、本当に頭が下がるのだ。
自分の状態は、数日前にあまり良くない兆候が出て、一退してしまった。先週減った点滴の本数もまた増えて、元に戻ってしまった。
病室では、ベッド上で全く何もしていないわけではなく、お昼寝や同室の方との会話の他に、もちろん読書したり、週一回面会に来てくれる直属上司と代理をお願いしている業務について打ち合わせたり、メールや相方氏を経由したFAXにて少〜しだけ仕事をしたりしている。
あとは観察と洞察と質問をして、病院の仕組みや医療・看護用語、職員体制や業務分担を推測したり、利用者として感じる「こうだったら良いのにな」と思うことを実現する手段を心の中で考えてみたりしている。自分の仕事に生かせることも多い。そして時にその手段を雑談として、仲良くなった看護師さんに話してみると大抵の場合は看護師さんたち自身は気づいているけど、主にコスト面で実現されてないだけなのだ。でもその「コスト」は、あくまでイニシャルコストであり、それによる人件費の削減や職員の負担減少、利用者の満足度などがどれ程に考慮されているのだろうなどと考えてしまう。ま、私に見えているのはどちらにせよ一面でしかないので、また他の視点からは別の面が見えることもよ〜く分かっているのだけどね。
ある意味では、入院生活は私の人生第二段階における原点といえるので、10数年振りに原点回帰しているようにも思うのだ。人生に無駄な経験などないと、あらためて思う今日この頃。