カンペキでなくてもなんとかなる

ムスメのダンスの教室ではlineグループが連絡手段になっており、先生からの発信も保護者からの質問もその回答も全てline上で流れている。発表会前の一週間のやりとりは壮絶で、退勤時には未読が100近くなっていたりした。

先生も3歳のお子さんの母親であり、全く準備が回っていなかった様子。臨時レッスンやゲネプロの時間などは常に前日か前々日の連絡、説明会の説明内容はすぐに変更になり、さらには当日の朝まで”100均に行ける方は○○を15個買ってきてください!!”などと衣装系の購入依頼が入っていた。

私自身は、仕事に関してできるだけ先を見越して漏れなく段取りを組んでおくことを心がけているので、このやりとりには最初面食らった。というか信じられなかった。ただ、だんだんとコレもアリだなと気がついた。というのは、自分のやり方だと、たとえ分担をしたとしても、自分だけで全体的な責任を抱えがちで、後のメンバーは受け身になる傾向があるようにかねてから感じていた。発表会方式だと、気がついたひとが知りたいことや確認したいことを質問で投げて、知っているひとや先生がその都度返信するので、よりフラットな関係が構築される。またたとえ当日の朝であっても、先生の依頼内容が具体的で明確なので、対応できるひとが瞬時に手を挙げていた。

もちろん私の仕事と発表会の開催では全く質も種類も異なるけれど、”カンペキでなくてもなんとかなる。むしろそれでよい効果もある”と体験できたことは、個人的に非常に貴重な発見で、少し大げさにいうならば自分のなかでパラダイムシフトが起こった。

他に、ムスメたちの舞台を見ながら、子どもだから個人個人はさほど難しい踊りをしているわけではないのだけど、数名集まってグループをつくり、さらにいくつかのグループが混じってひとつの舞台を作り上げ、全体としては実に完成度が高い素晴らしい舞台を構成していることに、チームワークや組織作りの真髄を目の当たりにした。

個人的に非常に大きな意味をもついくつかの発見をさせてもらったことからも、とても素晴らしい発表会だった。