定期通院の日

7月4日は定期通院の日。6月8日に書いたとおり、6月下旬に病院が新築移転したので、今回が新病院への初めての通院だった。

イマドキなエントランスをみたときに感じたイヤな予感は見事に的中してしまい、病院内に入ったとき呆然としてしまった。スタッフの減少に対応するためなのか、機械化と自動化が最大限に導入されており、わたしですら少々戸惑う程だったので、高齢の患者さんはいわんやをや。案内のスタッフは配置されているものの、案内のスタッフ自身が即答できていないレベル。

これまでは古い建物で設備は更新されていてもどこかツギハギで、動線も悪くてゴチャゴチャしていたけど、その分人間味にはあふれていた(どこぞの施設の建物のようだ…)。先月までは外来窓口の顔馴染みの看護師さんや看護助手さんと一言二言会話する場面があったのに、徹底的に機械化と効率化が推進された結果、検査の際の定型文の会話を除けば、診察室で主治医に会うまで一言も会話しなかった。

唯一救われたのは、2ヶ月前に依頼しておいた難病医療券更新のための診断書を受け取りに行ったら、途中のどこかの処理で止まっていたのを書類窓口の事務スタッフの方が”少しお時間いただけますか?”と探し出してくれたこと。内心有給休暇を取って出直すようかと覚悟していたので、実にありがたかった。

病院が理念を具現化するためにハードをデザインしたということではなく、おそらくコンサルか設計士に任せっきりにしてしまったか、または現場をあまり知らない管理部門だけで進めてしまったのか、真相はわからない。けど、対人サービス領域においてIT技術の導入や効率化をするべき業務と、どんなに非効率的でも”対人サービスの対人サービスたる所以"として残しておかなくてはいけない業務があることを、実体験としてあらためて認識した。もとよりありえないけれど、他山の石としたい。