日本の社会保障はどこへ行く?

今日の新聞で、某市で29歳の母親が8ヶ月の子どもを殺めてしまった事件が報道されていた。その自治体は、子育て支援の充実していることには定評のあるのだけど、どうやら一切の育児援助機関にはかかわりがなかったらしい。

この事件の一報を知って、てっきり夫と二人暮らしで初めての子どもでひとりで育児に煮詰まってしまったのだろうと想像していたら、何と7人家族で3人目の子どもだった。胸が痛い。

どのような事情があったのかは分からない。だけど最も必要とされていて、でも手が届かない人々にどのように存在を伝えていくのか。これはおそらく社会福祉のきわめて根本的な課題だと思う。

そんな報道を知ったあと、朝日健二先生による"後期高齢者医療制度"研修に参加。朝日先生は、いわずとしれた朝日訴訟の後継者なのだけど、今回研修の準備をしていて、初めて実子ではなく訴訟を引き継ぐために養子になったことを知った。

高齢者医療法自体については、まだまだ勉強不足なので、今回は省略。ただ朝日先生が研修のはじめに、"朝日訴訟が勝訴した後、日本の社会保障制度は急速に拡充され、同時にそれまで年2万人を超していた自殺者が減少した。現在は、社会保障がまた切り捨てになっており、自殺者は3万人に達している"というような主旨のお話をされた。とてもとても印象深く、心にずしんと残った。

そして夜にテレビでは、"ネオ闇金"と呼ばれる新しい闇金融について報道していた。別に娯楽や怠惰でそのような手段を頼らなくてはならないのではなくて、例えば母親が病気で費用が捻出できず、銀行からは化してもらえず、仕方なく"ネオ闇金"に頼らざるをえなかった女性などが紹介されていた。

さて。この国の社会保障はどこに行くのだろう?