病室にて:その9

相変わらず車いすを自走する許可すらおりず、トイレに行くにもナースコールしなくてはならない状態。
折しも入院している科の看護師さんたちの体制が夏休みと産休者がでているとのことで、かなり手薄になっている。さすがにトイレは同じ病棟の他科看護師も協力して来てくれるので、さほど待たないが、その他のことだとお願いしても待たされることや定時にこないことが多くなってしまった。
近接職種でもあり、職員体制と業務分胆にかなり無理が生じていることは丸見えなので、できるかぎり手を煩わせないようにしているものの、例えば洗面を終えたのに待てども暮らせども迎えに来てもらえなかったり(しかも洗面所にはコールがない)、午前に配布されるはずの清拭(身体を拭く温かいタオル)が夕方近くになったりすると、自分の「無能さ」をいちいち実感させられるので、何とも情けなく悔しく惨めになってしまうのだ。
だけどこれは、高齢者福祉の現場でも日常的に起こっていることで、"少し待っていて下さいね"というのは、言ってはいけないと知りつつも使ってしまうコトバだ。
私の場合には、身体的には全く普通にできるのに、してはいけなくて、ただしてもらうのを待つという辛さがあるけど、お年寄りの場合は身体機能的にできないわけで、その「できない」事実をいちいち目前に突きつけられることは、どれ程のストレスだろうかと思う。