続々・"こうのとりのゆりかご"

一昨日のニキに対するyui先輩からのコメントのレスの続き。

"こうのとりのゆりかご"の設置翌日に3歳児くらいの男児が預けられていたと報道されたことについて、設置病院側は"半年に1回くらい利用状況を公表するつもりだった"と述べているので、病院側の公式発表による報道ではないことが分かり、ちょっとホッとした。

ではどこから漏れたのかと考えて、病院内部にきっと反対者の職員がいて、そこから漏れたのではないかなと下衆のかんぐりをしていたら、どこかで"警察関係者から漏れたらしい"と読んだ。それが事実かどうかは分からないけど。

私の母がどの意味で"本来公表されるべき情報ではない"と言ったのかは、特に聞かなかったのでわからない。だけど、私が同様に考えるのは、何より大切にされるべきはその子どもの"福祉"だからだ。

というよりそもそも医療や福祉従事者には、業務上知りえた患者や利用者の個人情報は他言しないという守秘義務がある。これは"個人情報の保護に関する法律"云々の問題ではなくて、職業倫理上の義務。

yui先輩は"児童虐待や遺棄が報道されなければならないのと同じ"と書かれているけど、現在報道されるのは虐待で本当に哀しいことに死に至ってしまった場合で、児童虐待で児童相談所に保護された児童についていちいち報道されていないはず。遺棄も同様ではないのだろうか。そのような情報を公表していたら、当事者の福祉は根本から崩れていく。

少しわき道にそれるけど、母子生活支援施設が家庭内暴力から逃れてきた母子の個人情報を公開していたら、母子の福祉どころか安全すらも守れなくなる。なので、多くの母子生活支援施設はその住所地すらもあまり公表していない。このあたりには、駆け込み寺としての情報を必要なヒトに届けるということとのジレンマが発生している。

そして"大きな問題として社会的に認知"されるために、年齢や性別やどこから来たか等々の重要な個人情報が報道される必要はなく、設置自体と、病院側のいうとおり利用状況についての統計的な情報が公表されれば十分なのではないのだろうか。それ以上の個人的な情報を、その子どもの"福祉"をおかしてまで(もしくはおかす可能性があるのに)、こんな風に報道される必要性があるとは、私には思えないのだ。