長引く咳の原因と都立小児病院の統合と

昨日は超ハスキーだった私の声は、今朝起きたらささやき声しか出なくなっていた。そんなわけで昨日産婦人科でもらった紹介状と貸し出してもらった胸部レントゲン写真を持参し、総合病院へ向かう。"予約なしの初診の方はこちらへ"と総合案内に案内され、受付担当の看護師さんに話をすると"予約なしでは受診できません。ERなら受診できますが、お話を聞いているとERではないように思います"とのこと。"あのー、昨日予約専用電話に何度も電話して通じなかったのですが…"と話すと、"ただいま混雑しておりまして…。そちらに予約センターへの専用内線がありますのでお使い下さい"と。なんだそりゃ。

ともかく言われるままに予約センターへの直通内線電話をかけると、かなり待たされた揚句にまた同じ話を繰り返すことになり、ようやく初診の予約受付。"紹介先の呼吸器内科の空き状況をお調べします"とまた待たされて、やっと出てきた回答は"直近で4月19日になります"。なんと1か月以上先。思わず電話口で笑ってしまった。"通常の内科はいかがですか?"と聞くと、"一般内科も4月下旬になります"とのこと。予約センターのおねーさんいわく"紹介元の先生にご相談ください"とな。なんか病院として機能していないような…。

仕方がないので職場へ出勤。自分で思っている以上に声がひどい状態らしく、同じ部署の先輩同僚や後輩くんたちにも心配され、電話で話す相手も全員"シノさん、大丈夫ですか?""どうしたんですか?"と一様に驚かれて心配されてしまった。そこで昼休みにiPhoneで調べたところ、自宅からさほど遠くない内科医院が呼吸器内科の専門と判明。さっそく電話をしてみると、妊婦も受け入れてくれるとのこと。ラッキー。そんなわけで上司に理由を話して、早退。

辿りついたその内科で1時間半を待つ。待合室に貼ってある新聞記事の切り抜きからは、呼吸器内科のかなり有名な先生が開院しているらしい。東洋医学の専門医でもあるらしく、漢方にも強いらしい。をを、素晴らしい。診察の結果、確定診断は血液検査の結果が出る来週になるけれど、今日行った肺機能検査と経過と症状からは"咳ぜんそくでしょう"とのこと。吸入薬の他に、声が出なくなった原因の喉も治療するために"5か月目なら大丈夫"とのことで抗生物質も処方される。咳ぜんそくは3割程度が慢性ぜんそくに移行するとのことで、こんなことならもっと早くにここにくればよかったなとは思うけれど、とりあえずようやく原因が判明して対処療法ではなく根治治療を受けられることになったのでよしとする。

で、話は戻って今朝行った総合病院とは、都が"都立病院改革"の一環として鳴り物入りで再編成した都立病院のこと。数年前は少なくとも紹介状を持っていれば予約なしでも受診できたし、もっと身近な総合病院だった。再編成以前から予約がとりにくい状況ではあったけれど、建物と設備ばかりは立派になっても都民からはずいぶん遠い病院になってしまったなぁという印象。"広域基幹病院"として位置付けられたから医療機関からの直接の予約中心になったのかもしれないけど、"都立病院改革"のうたい文句である「365日24時間の安心」と「患者中心の医療」からはかけはなれている気がする。

帰るときにバス停にいたら、突然頭上から"まもなくバスが到着します♪"という妙な歌が流れてきて吃驚したと同時に思わず"こんな余計な設備はいいから…"とつぶやいたら、隣にいた女性が"本当にねぇ。こんなのよりここに時計があればいいのにね。病院内でも先生方も看護師さんも全然慣れていなくて、右往左往されていたわ…"と言っていた。周囲では再編成を知らなかった高齢の患者さんたちが、あちこちで職員に聞いていたり迷ったりしている様子も見られた。今月1日に建物を移転したばかりだから仕方ないとは思うけれど、落ち着くまでにはどのくらいの時間が必要なのだろう。

そしてその総合病院の隣には、清瀬・八王子・梅ヶ丘の三か所の都立小児病院が統合された小児総合医療センターがある。これだけ広域の小児病院を1箇所にまとめようというのは、何とも無茶苦茶な話だ。ポコンたんは清瀬病院に年数回通院していたのだけど、前回のときに主治医と看護師さんと話していて、"特に清瀬病院は、都民よりも埼玉県民の利用が多くて以前から廃止の目をつけられていた"という話を伺った。なんというなわばり意識。なんという貧しい発想。どこの都県に在住していても子どもを社会で育てようというのは当たり前ではないのか。

今回の総合病院の状況を体験して、小児総合医療センターの混乱はこれ以上だろう。清瀬・八王子・梅ヶ丘の患者さんで病院がなくなっておそらく通いきれないから、小児総合医療センターの近くに転居してくるご家族もいるに違いない。転居まで至らなくても、頼りになる小児病院が遠くなってしまった子どもは文字通り数え切れないほどいることになる。患者の子どもやその親御さんの気持ちを考えるとやりきれなくなる。この都立小児病院の統合については、本当に許しがたい改悪だと思う。