"これからのエリック・ホッファーのために”

荒木優太"これからのエリック・ホッファーのために”(2016,東京書籍)を眠れない夜に再読している。16名の在野研究者を紹介した本書は、数年前に人生の大先輩からいただいたわたしにとっての宝物の一冊。

ブログ、SNSやnote、動画など、個人が発信する機会は過去とは比べものにならないほど増えていて、なかにはハッとするような文章や知見もある。子どもも大人も、誰もが発信者になれる時代。本書にもある通り、発表の場という意味では、在野研究のハードルは限りなく低くなっているといえる。

本書のなかでは16名の在野研究者が紹介されている。だけど”女性と研究”と一章が用意されているにもかかわらず、紹介されている女性在野研究者はたった二人だけだったりする。在野研究を続けることの難しさのうえに、女性がそれを行うことの難しさが端的に表れている。

 

相沢忠洋や南方熊楠のような有名人も紹介されているけれど、世の中にはこんな研究をした故人がいるのかと知ることができるだけでも面白い一冊。